クルマの流れが変わる、人の流れが変わる。
乗り捨てカーシェアが、東京の「公共」交通機関を激変させる時代は、すぐそこまで来ている。
タイムズのクルマを、どこのタイムズ駐車場にでも停められる時代がやってくる
日本のカーシェアは、必ず元のステーションに戻らなければならない。
これは日本の車庫法をはじめ各種法令に起因するものでしたが、
国土交通省は、「各車がITで管理されていることを前提に、必ずしもカーシェアのクルマを所定の位置に戻す必要はない」との見解を示しました。
これは実質「乗り捨て」、いわゆるワンウェイ方式のカーシェアの運用について、国からお墨付きが出ているのと同義になります。
【国土交通省】いわゆるワンウェイ方式のレンタカー型カーシェアリングの実施に係る取り扱いについて
クルマには、必ず「行き先」がある
考えてみれば、今までがナンセンスな話。
クルマは不動産ではなく、移動する「動産」。決して置き物じゃあありません。行き先が必ずあります。
そのクルマが「常に毎回」元の場所に戻らなければならないようなルールに縛られているのは、実態にそぐわないのです。
「乗り捨て」が可能なダイムラーAG社の「car2go」は、米国をはじめ9ヶ国29都市で展開中
毎回元の場所に戻らなくていい「乗り捨て型カーシェアサービス」で、最もメジャーどころはどこになるのでしょうか。
それは、「car2go」というカーシェアリングサービスです。
ダイムラーAG社が、2008年から世界で順次展開しているサービスで、2016年現在でドイツ、米国、カナダ、イタリア、スペイン、オーストリア、ニュージランド、スウェーデン、中国の、9ヶ国29都市で展開しています。
car2goの登録ユーザー数は2016年時点で、全世界75万人以上。クルマの総数は13000台以上になります。
使用されているのは、ダイムラーAGの「2人乗り小型車「smart fortwo(スマート・フォーツー)」がメイン。
「smart fortwo」(引用:car2go.com)
さらに2017年6月現在、「Mercedes-Benz GLA」「Mercedes-Benz CLA」がラインナップに加わっています。
「Mercedes-Benz GLA」(引用:car2go.com)
「Mercedes-Benz CLA」(引用:car2go.com)
日本での普及のカギは、クルマと駐車場をITで繋ぐ「予約・車両管理システム」
日本での普及のカギは、どこにあるのでしょうか。
路上駐車が厳しく取り締まられる日本において、普及のカギはやはり「時間貸し駐車場」にあると思います。
もし「時間貸し駐車場」にカーシェアのクルマを任意に停めることができれば、乗り捨て利用は爆発的に加速しそうであることは容易に想像できます。
そこで注目されるのが、「ITによるクルマと駐車場のオンライン管理」です。
最大手タイムズカーシェアのクルマではすでに、GPSで常に現在地が取得されています。
また駐車場も、全国のタイムズ駐車場をオンラインで結ぶタイムズ24株式会社の「TONIC(トニック)」により、リアルタイムで満車空車情報が把握されています。
残るはクルマと駐車場をITで繋ぐ「予約・車両管理システム」でしょう。
タイムズの「Times Car PLUS × Ha:mo」のシステムが土台になる
しかしその「土台」もすでに出来上がりつつあります。
タイムズの「Times Car PLUS × Ha:mo」の予約システム。
「Times Car PLUS × Ha:mo」は、超小型モビリティに乗って、都内約100ヶ所のステーションへ乗り捨てできるサービスです。
使い方は簡単。カーシェアのようにクルマを予約すると、30分間「お取り置き」されます。
30分以内に乗らなければ予約は無料で自動キャンセル。
乗ってからの目的地の変更も、いつでも可能です。
カーシェアは、電車・タクシーなどに並ぶ、新しい「公共」交通インフラへ
これをスケールアップさせ、タイムズ駐車場の満空情報とリンクした一般車用のシステムが出来上がるのは、もはや時間の問題でしょう。
スマホでリアルタイムに近場の空き車両を選んでキープし、目的地の駐車場を決めるか、もしくは任意の空き駐車場に停めることが可能になるというわけです。
どうやらそう遠くない未来に、「東京のクルマ」は、「公共交通機関」としての移動の手段へ激変していくことになるかもしれません。
スポンサーリンク
This post was last modified on 2020年1月6日 04:32