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ドコモがカーシェア事業に参入、「タイムズ1強の牙城」にドコモのカーシェア連合が一騎打ち

画像:Engadget

ドコモがカーシェア事業に参入することが発表された。

「タイムズ1強の牙城」に、ドコモのカーシェア連合がまさに一騎打ちの様相だ。

そもそも「タイムズ1強」とは、どのような状況なのか

そもそも、カーシェア事業で1強と呼ばれる「タイムズカーシェア」のシェアはどの程度なのか。

それは、実に「7割」を誇っている。

タイムズカーシェアは、会員数約88万人、車両19,610台(2017年9月現在)を誇り、名実ともにカーシェア業界トップを疾走する、言わずと知れたカーシェア事業者の最大手だ。

そこへドコモが「連合」を形成し、タイムズの牙城を崩しに掛かる攻勢だ。

ドコモが提携した10事業者は

今回、ドコモが提携を発表したのは、以下の10事業者。

名立たるレンタカー事業者およびカーシェア事業者各社だ。

カーシェアにおいてはまず「オリックスカーシェア」とサービスインし、カレコ、カリテコは2018年度からの提携開始を目指す。

【カーシェアリング事業者】
オリックスカーシェア
カレコ
カリテコ

【レンタカー事業者】
トヨタレンタカー
オリックスレンタカー
ニッポンレンタカー
日産レンタカー
Jネットレンタカー
バジェットレンタカー
スカイレンタカー

ベースとなるプランは2つ。「マイカーシェア」と「dカーシェア」だ。センセーショナルなのは後者のサービスだ。

プラン1「マイカーシェア」は個人間カーシェア「Anyca」のビジネスモデル

1つ目の「マイカーシェア」は、いわゆる「個人間カーシェア」に分類されるもので、「Anyca」のビジネスモデルをほぼ踏襲したものだ。

【特徴】
・ドライバーとオーナーが、直接クルマの受け渡しを行う
・ドライバーとオーナーが相互に評価し、信頼度を評価し合う
・決済はドコモが仲介
・ドコモが定める「1日自動車保険」に加入が必須(1500円またはプレミアム1800円)
・プラットフォーム料として、ドコモは10%の手数料を得る(利用料金に含まれる)

プラン2「dカーシェア」は、「カーシェア」と「レンタカー」と「個人間カーシェア」をドコモがインターフェイス1本化

2つ目の「dカーシェア」は、かなり面白い試みだ。

いわゆる「カーシェア」と「レンタカー」と「マイカーシェア(個人間カーシェア)」を、ドコモのプラットフォームで一本化、検索・予約・決済(レンタカーは別途)までシームレスに統合するというものだ。

まず、月額基本料は0円のインパクトはなかなか大きい。月額基本料1000円程度(同額の無料走行金額が付帯)を基本としていたこれまでの大手カーシェア事業者には、あまり見られなかったものだ。

今回のドコモとカーシェア事業者の提携に、シェア7割の「タイムズカーシェア」と、個人間カーシェアの雄である「Anyca」が入っていないことがトピックであり、気がかりだ。

ドコモは、これまで地団駄を踏んでいたカーシェア事業者2位以下と、大手レンタカー会社を一気に束ね、かつドコモの強靭な顧客層をベースに、単一プラットフォームでアプローチする土壌を作り出したことで、シェア7割を誇るタイムズカーシェアに喰って掛かることになるだろう。

注意点として、料金面ではプラットフォーム代の影響でドコモは割高。頻繁に利用するならカーシェア会社に入会したほうが断然割安

注意点として、料金面ではドコモは決して安くはない。

今回、サービスイン初回から参入する「オリックスカーシェア」の会員料金と、dカーシェアの利用料金を比較したものが下記だ。



※各社、ベーシックな料金で比較

なんと、オリックスカーシェアに直接入会してしまったほうが、だんぜん安いのが分かる。

目安として、2か月に1回乗るか乗らないか分からないといった頻度の方はdカーシェア、1か月に1回は乗るといった方はカーシェア会社に直接入会してしまったほうが結局は安上がりだ。

とはいえ、ドコモの裾野の広い顧客層の中へのアプローチで、「dカーシェア」がどれだけの起爆剤になるかは興味深いところだ。

ドコモのサービス開始時期と、今後の様相は

「dカーシェア」のサービスは、2017年11月18日から開始。

一方、「マイカーシェア」のオーナー受付は、dカーシェアのサービス開始と同日の、2017年11月18日から開始。

実際にクルマを使うドライバーとしての予約受付は、2017年12月7日から開始予定だ。

タイムズ VS ドコモカーシェア連合。

タイムズカーシェアと、ドコモカーシェア連合の一騎打ちが始まりそうだ。

This post was last modified on 2020年1月6日 04:20