カーシェアリング

    パンク最多36万件。法律上のカーシェアリングの日常点検の義務者は?対策は?

カレコ・カーシェアリングクラブ

JAF救援、2015年度は36万件超。過去最多に

JAFによるパンク救援は昨年2015年度は36万件超に上り、過去最多となったことが分かりました。
<JAF>パンク救援、最多36万件 セルフGSで点検減り

「セルフ式の増加により、専門知識を持ったGSの店員にタイヤの空気圧などを点検してもらう機会が減っているのではないか」、
ということであり、これはこれで課題だと考えます。

カーシェアリングの場合 日常点検の義務者は?

しかし気になるのは、カーシェアリングの場合 その日常点検の義務者は誰になるのか、という点です。

結論、法律上ではレンタカー同様に「カーシェア事業者」です。

事業上はレンタカーと同様に道路運送法を守り、車両管理を行う義務がある。
このため、法律上では車両貸し出しの際にカーシェア事業者が車両の日常点検や定期点検を行わなければならない。
問題視されているのは貸し出しの際に行う「日常点検」である。
引用:「j-cast.com」

急拡大カーシェアリング 車両管理、安全、防犯に課題

空気圧チェックに、カーシェア事業者による新しい仕組みは検討される?

しかしカーシェアリングのように、新しい業態が出てきた場合、兼ね合いはとても難しい。
どんなに法律が正であっても、実際の運用を考えると現実にそぐわない部分が出てくるからです。

建設的に考えるのであれば、カーシェア事業者による次のような仕組みの新設が理想的ではないでしょうか。

 ・タイヤ点検記録簿を、新たにグローブボックス内に配置。
 ・空気圧点検を実施したユーザは、記録簿に記載の上、サポートセンターに連絡。(記録簿には日時とODOメーター値を記載)
 ・カーシェア事業者は、点検ユーザに対して「○○分無料」や「○○○円クーポン」のようなインセンティブを与える。

これによりユーザはより安心して乗車できるし、インセンティブがあれば損をした気にもなりません。またカーシェア事業者は、車両故障による機会損失の減少、かつ点検作業のコスト削減にもなると思われます。

同様に、タイヤゲージ(空気圧計測器)を車内に配置して、ユーザがGSに行かずとも、セルフチェックできる体制も望ましい。測定のみの場合は、小額のインセンティブでも良いかもしれません。(手が汚れるので点検を嫌う人は事実多いのではないでしょうか。)

なお現状でも、タイムズは利用開始前の15分間前から、カレコは10分前から利用開始可能としています。これは単なるサービスタイムではなく、「日常点検してくださいね」というメッセージだと捉えています。

日常点検に関する、国土交通省の見解は

なお国土交通省はレンタカーやカーシェアリングについて、
「ITなどを用いて車両の現状把握ができていれば、有人での日常点検を実施する必要はない」
との旨を関係各所に通達しています。

アメリカやヨーロッパでは、どうなってるの?

一方アメリカでは、「TPMS(タイヤ空気圧警報システム)」というものが既に義務付けられています。アメリカでは2007年以降、ヨーロッパでは2012年以降に発売されたクルマに対してTPMSが義務付けられていて(約4.5t未満)、BMW、ベンツ、ベントレー、フォードなど各社が導入しているとのこと。
パンクでの重大事故が多いからこそ、日本の法整備、自動車メーカーの進展にも期待します。
装着義務化するべきTPMS:タイヤ空気圧警報装置

終わりに

カーシェアリングは、ガソリン給油や洗車はもちろんタイヤ空気圧についても、ユーザの自助協力があって成り立つものと考えます。

今後も伸びて行って欲しい業態だからこそ、事業者の方には是非、建設的な検討をお願いしたいものです。

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